相場日誌 第5回 保ち合いのジレンマ(2つのことを諦めるだけで確実にレベルアップ)

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相場日誌 第5回 保ち合いのジレンマ(2つのことを諦めるだけで確実にレベルアップ)

長く続く保ち合いは好きか?と聞かれたら、私は真っ先にNo!と答えるだろう。

2~3日ならよいが、半月~1か月ともなると嫌気がさしてくる。

初心者の頃にFXで逆張り・ナンピンばかりしていた時期があったが、保ち合いで30連勝した記憶がある。とにかく下げたら買い、上げたら売る・・・を繰り返すだけだった。それで儲かるのだから空からお金が降ってくるような感覚で、やめることは出来なかった。。

しかし、4カ月目辺りから流れが変わり、上昇トレンドが続くようになって売っているポジションが増え始めた。

最終的に、これまでの利益が軽く吹き飛ぶほどの含み損を抱えて遂には資金のほぼ全額を失ったのである。

もう二度とこんなバカなことは繰り返すまい!と誓いを立て、順張りで保ち合いに挑むことになった。

ところが、初心者の頃は天国だった保ち合い相場が今度は地獄のような事態を招くとになり唖然とした。

ブレイク狙いで利食いを遅らせていたら、ブレイクせずにあっという間にロスカットになることが増えていた。保ち合いでは、ブレイクする確率が低いので、それなりの対応が必要である。ブレイク目線のポジションを持ったのであれば、勿体ないが早めに利食いを完了し、残りのポジションで勝負することだ。

これが、保ち合い対応での現実的な立ち回りである。


保ち合いでは2つのことをあきらめなければならない。

1つ目は逆張り対応をしながら、順張り対応をすることは諦めるべきである。レンジ内を往復する値動きを狙う(逆張りする)のであれば、レンジブレイクの大きな値動き(順張り対応)はあきらめるしかない。人間の脳は真逆の対応を同時には処理できない仕組みになっているからだ。笑いながら怒ることが困難なように、買い目線でいながら売り対応をすることは実践レベルにおいては非常に困難である と説明すれば分かってもらえるだろうか?

私は順張り対応に重きを置く代わりに、レンジ内の動きを狙った逆張りは諦めることにした。


2つ目はレンジブレイクを毎回、確実に捉えることはできないということを肝に銘じておくことだ。せっかく監視してきたのだから、損したまま出し抜かれたら悔しくて仕方がない。機会損失の恐怖に染まっていると気が付く頃には監視時間と手数が増え、取られた分を取り返そうと躍起になっているはずだ。

自分が重視している時間帯で取れなかった値動きは諦めなければならないし、保ち合いでストレスを感じなくなるまでには途方もない時間がかかるだろう。無駄なことをやり尽くして本当に無駄であったことを体で覚えるしかないからだ。


大きな値動きを見送って諦める時もある とか 両面の対応を諦める などネガティブに思うかもしれないが、それは大きな勘違いである。

大きな値動きを捉えられないこともあると諦めておくことで、執着から逃れチャンスが舞い込むのであり、狭いレンジの小銭拾い(逆張り)を他の投資家に明け渡すからこそ、レンジブレイクの大きなチャンスが巡ってくるのである。

初心者であればあるほど、すべての値動きを捉えようとするものであることは大口は知り尽くしている。

保ち合いはこれらのことを教えてくれる上級者向けの相場として見ていくとよいだろう!


不倶戴天(ふぐたいてん):どうしても許せないと思うほど、怒りや憎しみが深いこと。

着眼大局(ちゃくがんたいきょく):物事を全体的に大きくとらえること。また、広く物事を見て、その要点や本質を見抜くこと。





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